2024年5月21日火曜日

大人は本当に子どもの未来に責任を持ってきただろうか

 いつの時代も大人は、

「最近の若者は、、、、、、?」

と若者の甘さや物足りなさを嘆いてきました。

その嘆きは5000年前のエジプトピラミッドの遺跡壁画にもあったのですから

年長者は次の時代を担う若者を心配するのは今も昔も変わりません。


世の中は進みます。

若者が年長者からもらった知恵を生かしながら、挑戦を加えて変化します。


街頭テレビで力道山が活躍していた頃

テレビ会社に就職が決まった息子に

「どこの家庭にもあるラジオ会社の方をなぜ選ばなかった?大丈夫?」

と問うた親がいました。

映画007でしか見ることのできない車電話の時代

携帯会社に就職が決まった娘に

「なぜ固定電話の会社に就職しないの?携帯電話とか誰も使ってないよ」

と心配した親がいました。


大人が良かれと思っていること

当然と思っていることが

実は時代の流れに乗りそこなっていることも

多いのかもしれません。


内館牧子さんが書いた「老害の人」でも

昔の栄光を社員が飽きるほど繰り返す相談役が描かれています。

私は老の方ですが、その本を読むと、妙に納得させられました。


さて、脱線しましたが

本当に、大人は次の時代を子供たちに考えさせてきたでしょうか?

どこの学校に進学するかどうかは悩みますが、その後についてちゃんと考えてきたでしょうか?

いまだに進学校では進学実績が誇らしく宣伝されます。

続く後輩のモチベーションにもなるでしょうから

一つの「やる気スイッチ」としての役割があるのかもしれません。


しかし、進学した学校は、その後の人生にマッチしていたものなのか

その後、学校を辞めたり、就職の時に困ったり、就職後も悩んだりしていないだろうか

そういったデータが少ないのが現状です。


だからこそ、自分の今を見つめ、未来を考えるキャリア教育が大切だと思うのです。


今回はここまでにします。


次回をお楽しみに

2024年5月15日水曜日

キャリア教育研修報告(3)

 今回も日向市教育委員会の小野係長の示した本市における「課題解決型よのなか挑戦」について、私なりの解釈を加えてお伝えします。

これまでの中学校では、近隣のお店や保育園・幼稚園、農家さんなどに2日間程度の職業体験をさせていただいていました。

事前の学習をして事業所さんにお願いするのですが、預ける方も預かる方も、その意味を分かっていないことが多かったのです。

学校「どうぞ、ご自由に何でもいいので体験させてください。」

事業所「怪我をさせてはいけないし、遊ばせてもいけない。アルバイトでもないしなあ?」

というようなこともありました。

これでは、勿体ないですね


義務教育は15歳まで

15歳までに社会に出る力をつけるのが大人の責任です。

しかし、15歳の春に卒業した子供たちが、リアルに近い形で働く経験がないというのはどうなんでしょう。

そういう意味でも、しっかりと仕事の体験をして、そこから学んでほしいのです。

しかも、社会を知る機会として。


自分なりに考えて

「この仕事は社会の中でどんな役割を持っているのだろう」

「この仕事は、他のどんな仕事と結びついて成り立っているのだろう」

「この仕事では、どんなことが工夫されていて、何を変えようと挑戦しているのだろう」

と仮説をもって仕事を体験してほしいのです。

そのことを、日向市では「課題解決型よのなか挑戦」としています。


言われたことの仕事を体験するだけでありません。

仕事の意味や役割、仕事をしてみて自分を見つめて今と未来を考えること

課題をもって体験させるのです。

物事を学ぶときに大切なのは、「why」(なぜ)


学校の勉強でも、社会で生きていくのも「why」が大切

「課題解決型よのなか挑戦」はそこを目指しているのです。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。






2024年5月14日火曜日

キャリア教育研修報告(2)

 今回も引き続き、研修報告をします。

日向市教委の小野指導係長の話の続きです。

日向市の子供たちは、ほぼ9割が故郷を愛しています。

しかし、小学生の半数、中学生の6割強が市外で働きたいと考えています。

ふるさとは好きだけど、就職は別と子供たちなりに考えています。

そういう流れが出来上がっているのかもしれません。


日向市に仕事がないわけではありません。

業種によってはいつも人手不足です。

ただ、子どもたちが考える仕事とマッチしていないのでしょう。


年齢別の比率が同じで町のサイズが小さくなっているのであれば、仕事に携わる人はスムーズに移行するでしょう。

しかし、高齢者率が増えながら、若い層が激減する形で町が小さくなっていくとその循環がうまくいくはずがありません。

この現象は日本全国共通の課題です。

ある意味、東京や大阪、福岡などの大都市は、地方の若い人材を飲み込むブラックホールであり、県庁所在地も県内の若い人材を飲み込む小さなブラックホールですから、なかなか抗えません。


日向市は、とっても魅力的な街です。

10分程度で目的の場所に行けますし、市役所と市民の協力体制も素晴らしい。


なんとしても、若い感性に訴え、日向市のよさを理解させたい。

小野指導係長の示した数字を見て、そう考えました。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。




キャリア教育研修報告(1)

 日向市内のキャリア教育担当者を集めて、研修会を行いました。

そのダイジェストの報告をします。

まずは、日向市教育委員会の小野指導係長から、日向市が進めるキャリア教育について説明がありました。


まずは、現状として、日向市の子供たちは、活用が苦手で、表現力が今一つ

これは、正解を繰り返し暗記することはできるが、問いや仮説を立てて考えることは苦手ということです。


私は、この話を聞いて、学校だけの責任ではないような気がしました。

昔、幼かった私は、トンボを捕まえようとして、いろんな工夫をしました。

トンボの死角から近づくこと

気配がバレないように風向きを調べて風下から近づくこと

(ひとさし指を唾で濡らして、それを立て、乾く方が風上)

子供なりに仮説を立てて、トンボを捕まえたのです。

ところが、自然というのは厄介なもので、風の向きはいつも違うし、天気次第でトンボはいないし、鳥やカエルなど、私以外のライバルもいるし、条件がそろわないのです。

つまり、答えが一つではなかった。

最適解を、その時々に見つけなければならなかったのです。


活用は、課題をクリアしたと思ったら、次の課題が出て、それをクリアしていく流れです。

便利な今の生活自体が、活用の力の根っこを弱らせているのかもしれないと思わされました。


百聞は一見に如かず

百閒は一行に如かず

スカイツリーの話を聞くより、見た方が分かるし、

見ただけでなく、上まで登って、そこから東京を見渡した方が、スカイツリーが分かります。


日向市が進めているキャリア教育は、聞くだけに終わらせてはいけないと改めて思ったところです。


今回は、ここまでにします。

次回をお楽しみに




2024年5月13日月曜日

キャリア教育って何?(7)

 今回も自己理解の話です。

小学生が好むレンジャーものは、赤、青、緑、黄、桃みたいな感じで分けられます。

印象としては、

明るいか、静かか

激しいか、優しいか

の2軸で分けてみるとどうでしょう。

明るくて激しい赤レンジャー(トランプ元大統領)

静かで激しい青レンジャー(スティーブジョブス)

明るく優しい黄レンジャー(明石家さんま)

静かで優しい桃レンジャー(池上彰)

(女性でも分けてみたいのですが、自信がありません。)

勝手にそんな風に分けてみて、自分はどのタイプかと考えてみましょう。


自分で考えたタイプを友人に示すと

友人が不思議そうな顔をして「君は、違う色のレンジャーだよ」と教えてくれるかもしれません。

自分のことは、他からフィードバックをもらわないと分からないことがあるのです。


しかし、その色は変えられますし、変えなくても更に磨けます。


経験が違う自分を磨いてくれるのです。

人前でモジモジしていて、とても発言などできない人も、何度も経験すると、堂々の赤レンジャーになることだってあります。

しかし、赤レンジャーが主役ではないのがキャリア教育の考え方

いつも冷静にピンチを予想する青レンジャー

明るく場を盛り上げチーム力を上げる黄レンジャー

どんなに落ち込んだ仲間も優しく励ます桃レンジャー


日向市では、

魅力的な、いろんな色の「よのなか先生」に会わせたい

人生の中で少しずつ色を変えたよのなか先生

色は変わらないけどその色の魅力をさらに磨いたよのなか先生


そんな出会いが、子ども達が自分を見つめて考える大切な機会になるのです。

老若男女の様々なキャラクターと自分を比べ、見つめることで違う景色が見えてくる。

自己理解を深めるキャリア教育に「よのなか先生」は大切な存在です。


今回はここまでにします。

次回をお楽しみに。

2024年5月8日水曜日

キャリア教育って何?(6)

 今回のお話は、自己理解・自己管理の力についてです。

以前にも触れましたが、キャリア教育では、人間関係を作ること、自分のキャリアの見通しを立てること、課題に対応する力をつけること、それに自己理解や自己管理をする力が大切です。

今回は、その大きな柱の1つ

自己理解の話です。

「自分のことは自分が一番わかっている。」

と思いがちですが、時々、

「あの人は自分のことが分かっていないよね。」

と揶揄される人がいます。

しかし、それは誰にでもあり得ること

自分は

・自分だけが知っている自分

・自分も周りの人も知っている自分

・周りの人だけが知っている自分

・自分も周りの人も知らいない自分

でできています。

※「ジョハリの窓」でネット検索してみるとわかりやすく解説が出ているはずです。

ですから、自分を客観視したり、他からのフィードバックをもらうことがないと、本当の自分を見出せません。

本当の自分は、いわば自分の背骨であり、それがブレなければ、自分の今後のキャリアも考えられそうです。

学園物のTVドラマでは、

「うちの子に限ってそんなことはありません。」

という場面がありますが

それでは、自己理解を狭めますし、将来の可能性の芽が摘まれるかもしれません。


しかし、自分がどんなものが好きか、気持ちよいか、嬉しい気持ちになるかは

多くの人に出会って話を聞いたり、体験しなければわかりません。


ですから、学校全体でのキャリア教育が必要なのです。

高校や大学を選ぶのと同じぐらいに

 自分は何が好きで嫌いなのか

 苦手だけど興味があるのかないのか

 自分がうれしい気持ちになるのはどんな場面か

を考えさせたいのです。

もちろん、学校での係活動や委員会活動、部活動など、好きか嫌いか、前向きな気持ちになるかどうかは、ある一定の努力をしたうえでなければ判断はできません。

縄跳びが大嫌いな子供だって、何度も練習して二重飛びができるようになったら、違う飛び方まで挑戦してクリアしていくことがあるのですから。


自分探しの自己理解は、大いに悩むべし

そのために、大いに話を聞く、大いに体験することが大切です。


次回も自己理解の話を続けます。

今回はここまでにします。


次回をお楽しみに。


2024年5月7日火曜日

キャリア教育って何?(5)

 前回、つながる力の大切さに触れました。

その力は、特別な時間を使ってつけるのではないという話をしてみたいと思います。

国語や数学には、もちろん教科の目標があります。

将来、日常生活を快適に送るには説明書を読んで理解する力や、論理的に考える力は大切ですから。

そこを無視してのキャリア教育はあり得ません。

しかし、教科指導の中でも、「つながる大切さ」を実感させられます。


つながる、人に合わせる、互いに協力する


例えば、音楽の合奏

様々な楽器に分かれて、音を出す回数も違います。

ずっと主旋律を奏でるピアノや管楽器

たまにしか登場しないシンバル(ドボルザークの新世界では1回だけ)

頻度にかかわらず、それぞれの楽器がないと表現できないものがあります。

それぞれの役割を果たしてこそ得られる心地よさ

合わせることが広げる可能性

それを経験させずに、単に演奏だけでは勿体ない。


体育も同じ

最近はやりのダンスも

心を合わせること、つなげることで素敵なパフォーマンスが実現できます。

単に、振りの良しあしだけではないですよね。


理科の実験だって

役割を分担しながら物事を進めていくことを体験していく

火をつける人、記録を取る人、実験具を整理したり洗浄する人

実験で学ぶ本来の学習の目標もありますが、キャリア教育の視点があれば

生徒への声掛けも違ってきそうです。


ここを意識するかどうかで、子どもをどう育みたいかが変わるはず


だからこそ、人間関係を作る力を日常の指導でも大切にしなければならないと考えています。


今回はここまでにします。


次回は、自己理解・自己管理の力について触れてみます。